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藪内 典明; 高橋 政男*; 中澤 利雄; 佐藤 和夫*; 島崎 潤也; 落合 政昭
JAERI-Research 2000-063, 69 Pages, 2001/02
原子炉施設の海上立地方式は、浮体式,着定式及び埋立式に分類することができる。浮体式海上立地方式による原子力発電施設(以下、「浮体式原子力発電施設」という。)は、免震性,設計標準化,工期短縮など多くの特長を有している反面、陸上原子力発電所とは異なる安全体系の確立が必要であるとされる。しかしながら、これらの検討はこれまで必ずしも十分行われていない現状にある。本報告書では、浮体式原子力発電施設の安全を設計上どのように考慮すべきかを検討するために、検討対象とする浮体式原子力発電施設の概念検討及び浮体構造物の安全性評価に関する調査を行った結果を述べている。前提として、日本の外洋に面した水深20m程度の沖合で、防波堤により得られる静穏海域に、110万kW級の発電用加圧水型原子炉施設を搭載する浮体構造物を係留することを想定した。調査検討の結果、浮体構造物は長さ300m幅80m高さ35m,総排水量約30万トンの規模となり、既存の造船所のドックで十分建造し得ることがわかった。また、波浪等による浮体構造物の運動シミュレーションを実施した結果、防波堤に防護された浮体構造物は、原子炉施設を搭載するのに十分な安定性を有していることが確認された。